1985年12月A日
パースを発つ

スチュアートが数日前、突然誰にも告げずノースロッジを出ていった。いったいやつは何を考えているんだろう。
そして今日、ボズもシドニーへ発った。やつは2、3週間東海岸を旅行して、もう一度パースに戻って、正月前に香港経由で日本へ帰るといっていた。やつはこの国への永住をいまだに決めかねているようだ。日本へ帰って、もう一度ゆっくりと考えて見ます、と言ってやつはバスの人となった。
おそらくオレはやつが帰ってくるまでにこのパースを出ることになろう。再びやつと会うのは日本でということになりそうだ。
この町での9ヶ月が過ぎたが、ホントそれはあっという間に過ぎ去ったというのが実感だ。9ヶ月といえば大阪以外で最も長く住んだ町がこのパースということになる。
いろんなことがあったが、いいにつけ悪いにつけ、それらはすべて思い出の一部としてすでにオレの心の隅の小部屋に収まり始めている。スズキ氏ともいろいろあったが、もう最近では気軽になんでも話ができるようになった。
苦しんできた英語の聞き取りの能力もこちらの現地の人たちとの関りが深くなるのに従って上達したとの実感もこの頃は持てるようになった。
もうこの町に残る必要、思い残すものは完全になくなった。
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