C-01 ナラボー平原を越える

Select-Language

1986年8月A日

ナラボー平原を越える

ナラボー平原

 昨日の夕方6時にパースを発ったバスはナラボー平原を一路東に向けて越えていく。目に見えるのは一日中ずっと同じ超単調な景色だ。

 今日の朝、起きてから夕方まで景色はほとんど変わらない。オーストラリアを一周する国道1号線を走っているが、薄茶色の大地に高さ50㎝くらいの草そして時々見える高さ6-7メートルの枯れかけのような木、目に見える景色はただそれだけだ。

 ナラボーとは英語で「Nullarbor」と書くが、これは「No tree」つまり「木がない」という意味だ。

 実際にこの砂漠の平原では木が見つけにくい。カラーサ付近の砂漠ではちょこちょこと木が生えているが、ここではその比率がずっと低い。

 この平原を最初に横断した人たちってどうやって水を補給していたのだろうか。その人たちの勇気にはほんと畏れ入る

 砂漠の真ん中でバスがなぜか急に止まった。ドライバーが外へ出て行って数分後に戻ってきた。2人いるドライバー同士で話しているのを聞くとパトカーにスピード違反で切符を切られていたとのこと。オレの体感ではそれほどスピードが出ていたとは思えなかったが。

 でもこんな砂漠の真ん中でこういう定期運航のバスをよくも捕まえるものだ。お互い砂漠の仲間のようなものだろうに。

 地球の果てのようなこの地ではかえって事故も多く、むしろ交通ルールは厳格にしようということなのか。

 自転車でこのナラボーを走っている奴を2,3人車窓からみたが、おそらくそのうちの一人くらいは日本の若者かもしれない。彼らのガッツに敬意を表す。

<次のページ>
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする