1985年12月E日
クリスマス休暇

クリスマス休暇でアーノルドとメニがパースへ帰ることになった。彼らはオレにもついて来るかと訊くが、オレはここへ来てまだ1週間もたっておらず、帰る気などさらさらない、と答えた。
二人がいなくなれば、オレがこの家にたった一人とり残されるわけで、はたしてどうなるのかなと思っていたら、じゃあ、ケンはここに残っていてもいいということになった。
この家そのものはジェフの持ち物だが、家財道具すべてはアーノルドとメニの所有物だ。そんなところへ、どこの馬の骨ともわからないオレみたいなのを残して大丈夫なのか、とオレの方が彼らを心配し、またオレのことをまがりなりにもそれだけ信用してもらっているのかとの態度に恐縮する。
しかし、オレとて行くあてなどこの町にあろうはずもない。結局、彼らの御好意により、オレは彼らが明日発って1週間後に帰ってくるまで、この家でじっと留守番、仕事はなしということになった。仕事はなくても給料はもらえるとのことだが、はたしてそれを喜んでいいのやらどうやら、複雑な思いである。
おいおい、おまえはわざわざこんな地の果てまで、仕事をしに来たんじゃなかったのか、ともう一人のオレはいうが、ここの仕事を何ひとつ知らないオレ一人でいったい何ができよう。彼らが帰ってくるのを今は待つしかない。
1985年12月F日
カンヅメの日々

アーノルドとメニがパースへ帰って2日たった。外は相変わらず38度の猛暑で、出歩く気などまったくしない。
第一、ハエがすごくて、顔の前を手で払い続けるのに疲れるため10分も屋外になど出ていられない。車もないため、テレビだけを一日中見る日が続く。
1985年12月G日

起きて、メシを食って、テレビを見て、ステレオを聞いて、ラジオを聞くだけの生活が続く。
だが、この閉塞状態に案外自分が順応しているのに気づく。この調子だと監獄へ入っても大丈夫かな、と変な自信が沸いてくる。
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