A-62, 63 スーパーリーグ終了, ノリさんの展示会終了

1985年11月G日

スーパーリーグ終了

バレーボール, 3位

 昨日、準決勝で負けた。第4セット、14対12のマッチポイントを取れず逆転され、5セット目のジュースも最後で根負け。結局わがレッドスターは3位でこのスーパーリーグを終えたことになる。

 実力は昨日の相手も決勝で待っている相手もうちも同じくらいだが(リーグ戦では3チームとも勝ったり負けたりだった)、リーグ戦中の数々のチーム内の不和が、最後に粘りを出しきれなかったことの最大の理由といってマチガイない。

 名誉を賭けた戦いにのぞんだ時、自分の持つ最大の力で燃えてかかるのは人間みな同じだが、それまでの過程にわだかまりをより多く持つものは、最後で必ず負ける側に回る。高校、大学で学んだチーム競技のこの鉄則を、この国に来てまた思い知らされてしまった。

 結局、オレは負ける瞬間をコート上ではなく、ベンチに座ってボンヤリと過ごした。

 なんであんな背が高いだけのトーヘンボクを出して、オレを出さないんだ?実際オレがチームではブロックポイントが一番多いじゃないか、というのが大声で言いたいオレの本音だが、いかんせんここは外国。郷に入らずんばなんとやら・・・・。

 だが、はっきり言えるのは、少なくともこのレッドスターで(オーストラリア人と一緒に、と言ってもよいくらいだが)、バレーなんてやる気はもう二度としなくなったということ、ただそれだけだ。

 あーあ、これですべて終わった。もうパースでオレを引き止めるものは何もなくなった。

 ポートヘッドランドへ行ければというのが今のオレの思惑である。近いうちに例の船食業の社長にかけあってみなければ。

1985年11月H日

ノリさんの展示会終了

展示会

 ノリさんの展示会は、どうも成功というまでには至らぬうちに終了した。ギャラリーの人たちの楽観的な予想にオレたちもノセられて、かなりイージーな見積りをたてていたが、やはり現実はそう甘いものではない。

 今日、彼からお祝儀といって100ドルもらったが、期待が大きすぎたため、正直いって少しガックリ。世の中そんな甘いもんやおまへんでぇ、と100ドル札のオッサンがオレをせせら笑っている。

 しかし、これまでノリさんにはあのポンコツ車を何にもいわずに修理してもらったり、メチャクチャうまい博多風家庭料理を毎週のように腹いっぱい食べさせてもらったり、ホントにお世話になった。

 その恩返しをしたと思えば、あの展示会に費やした時間もそう惜しくはない。それにこの国で永住しようとする人を助けることができて、むしろハッピーな気持ちすら今はもっている。

 生きていくのが日本ほど難しくはないこのオーストラリアでも、移民として彼と彼の家族にはこれからいくつもの障害が待っていることだろう。彼やスズキ氏始め、この国で生き、骨を埋めようと決心した人々に暖かくエールを送ろうと思う。

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