C-18 第二の故郷となったオーストラリアを去るに当たって思うこと

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1986年11月B日

オーストラリア

 昨年の3月に入国以来、20ヵ月をこのオーストラリアで過ごしてきた。

 当初の目標つまり、この国の社会に根を下ろす、何か一つのことをやり遂げる、英語を上達させる、という三つについて、100%ではないものの自分としては「ある程度は満足」とこの頃までに思えるようになり、達成感みたいなものを身体に感じる。

 出国のフライトを数日後にひかえ、いまは居心地が良すぎるこの国を出て、まったく別の世界へ自分の身を置くことに興奮を覚えてならない。

 悲喜こもごも、大きな喜怒哀楽を味わった20ヵ月だったが、来豪当時のコンプレックス満タンだった自分と比して、自分は成長したんだという自信も持てるようになっている。

 ただの旅行者ではなくこのオーストラリアの住民となったことで、この国や国民のことについていい意味でも悪い意味でも理解は深くなった。

 そのため愛着はやはりあって、今後のこの国の行く末が気になるところである。幾分の嫌悪感は残るものの、それらは愛着よりも決して大きなものではなくなった。

 物事を知れば知るほどマイナス面も見えてくるものだ。いまこの国を去ろうとするこの時、冷静に見てプラス面がマイナス面をはるかに上回っていると言えると思う。

 オーストラリアにバイバイ。また来ることもあるだろう。オレの第二の故郷となったこの若い国がこの次来るまでどう変わっていくのか。大いに楽しみだ。

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