G-20 同居人と犬と原始的世紀末アートの部屋

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1987年5月B日

犬, トイレ

  我が家、キューブ1号室はかつては非常にきちんとしたところだった。そして、いまもオレとジムの部屋は依然としてきれいに整頓されている。だが、ジョンと新しく移り住んできたピーターの隣りの部屋は、最近まさにドロボーに入られたあとのコジキの家のようになってきた。

 特にイギリス人のピーターというやつは、まったくどうしようもないダメヤローだ。キッチンのフライパン、鍋、カップ、皿などはめいめい使った者がその後きれいに洗っておくのが共同生活の常識であるが、こいつだけはそれらを使ったあと、これまでに洗ったためしがまったくない。

 たまりかねてオレとジムが洗うように言ったところ、やつはなんとタワシで2、3回こすって洗っただけ。まだコゲや油のヘバリ付いた皿やフライパンを「ほら、やったよ。」と、元の場所へ戻した。

 あれ以来、オレはキッチンでメシを作るのをやめた。おかげで最近食べるものといえばパンとハムとチーズといった調理の必要のないものだけになってしまった。ただでさえ栄養不足になりがちなここでの食生活に、この食事では体がおかしくなりそうだ。

 それにピーターとオランダ人ジョンの住む隣りの部屋は、もう文明国家で生まれて育った人間の住むところとはもはや言えなくなっている。もう3週間は掃除されてないタイル張りのフロアには土と砂が吹き溜り、やつらはその上に自分の持ち物を平気で置き、それらを踏み付けながら歩き回る。

 さらにドアをつねに開けっ放しのやつらの部屋は、ジムがたまたま拾ってきた3匹の小犬の格好の棲み家となり、ごくごく当然のごとくこの小犬たちの生理現象の遂行場所ともあいなった。

 つまりピーターとジョンの部屋は3匹の小犬たちの快適なトイレと化し、さながら先史時代にあったであろう人畜混住の現代風モデル住宅の様相を呈している。3匹の犬の尿がマットや衣服にしみつき、クソがフロアと壁の装飾となったこの部屋の偉観は、もう世紀末的アート博物館だとさえいえる。

 はっきり言ってこの手の「芸術」に馴染む必要をオレはまったく感じない。ただ速やかに部屋を変える必要を感じるのみだ。

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