G-10 フィリピンとノルウェーへ祈りの手紙を出す

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1987年4月D日

祈り

 書かねばと思いつつ溜まっていた手紙を今日2通書き終えて送った。これでやっと心のしこりが取れて、このモシャーフに着いて以来ようやくひと息つけた感じ。

 フィリピンの日本大使館には、ヨリコさんからオレあての小切手入りの手紙の有無のチェックを依頼した。そしてもし着いているようならば、至急こちらへ転送してくれるよう依頼した。

 でも郵便事情の悪さで定評のあるあの国から、返事が来るのはホントいつぐらいになるんだろう。それにロンドンからの国際コレクトコールをかけた時に、「どこの会社の方ですか?」と問うてきたあの甚だしく嘆かわしい人々がはたして何かの動きをしてくれるんだろうか。まったく心許ないことこの上なしだ。

 ノルウェーの魚工場へは万全を期した応募書類を送った。肉体労働をするだけの魚工場に対し、自分は大卒の学位を持つ、うんぬんという経歴を書く必要があるのかどうか迷ったが、どこのウマのホネだかわからないと思われるよりはマシだろうと、高校卒業以降の自分の経歴をこと細かに書き込んだ。

 英語の応募文を3号室のカナダのインテリ少年のニックに推敲してもらって、それをモシャーフの事務所から借りたタイプライターを使って自分でタイプし、ほぼ完璧な英文の履歴書と職務経歴書を作り上げた。

 オレにとってはこのノルウェーの仕事が手に入るかどうかで今後の予定が完全に違ってくる。慎重の上にも慎重を期して事を進めていかねば。

 手を合わせて祈りながら、「おお神よ」とつぶやき手紙2通をポストに投函。この日の夜は缶ビールで一人乾杯した。

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