G-22 ひとりひとり去っていくボランティア

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1987年5月D日

去っていくボランティア

 1号室のジョンとピーターが昨日出ていった。イスラエルの南端に位置して、紅海に面したエラットという町がやつらの目的地だという。

 エラットはイスラエル最大かつ最高の海洋リゾート地で、ヨーロッパあたりからの観光客で一年中にぎわう町だ。そのためイスラエルの他のどの町よりも求人が多く、カネのなる仕事が得やすいという。月給200米ドル強にしかならないこのモシャーフにいるよりかは、運がよければ月に600米ドルは稼げるというエラットで働く方がサイフの中は暖まるだろう。

 実はオレも一緒に行こうと誘われたが、仕事はレストランのウェイターあるいはホテルの掃除人ぐらいでしかないということ、そしてなによりも連れ合いがジョンとピーターとモシャーフの問題児ボブではうまくやっていく自信などカケラもなく、NOの返事をした。

 このごろボランティアも出ていくやつが多くなった。去年の10月からここにいる南アフリカ人のヤンは来週ロンドンへ発つという。隣りのヤンツもあと2週間でおしまい。インドで6ヶ月間何もしないで暮らしたというヒッピーのイギリス人ジョンもトルコへ。やつらオレと同年配のボランティアがいなくなると、スデ・ニツァンも淋しくなっていく。

 フィリピン大使館からの便りはまだなく、ノルウェーへ電話を入れるのも時期尚早だ。イスラエルを出ることはできないが、オレにも環境の変化が必要だと思えてきた。

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